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初夏のごく僅かの間にだけ
北の空を覆い尽くす
巨大な星座は見える
その巨大さとは裏腹に
構成する星々全てが
六等以下であるために
一切の眩しさはなく
さしたる由来の神話もなく
だがしかし
真夜中の生活者の その頭上に
確かに、浮かぶ
月の無い今夜
星々の
微量な光に照らされて
行列のしんがりで
頭を垂れ、歩き疲れた人々は押し黙り
やがて
空を仰ぎ見るのをやめた人々は
星が次々と死んでいったことに、
気付かない
繋がれた心に
歓喜を奪われ続ける
行列のただならぬ沈黙に、花を
悲しみの夜に、永遠の朝を
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